この記事ではユニコーンオーバーロードがどういうゲームか、レビューを交えて紹介したいと思います。
先に結論だけ載せておきます。
- 採点:8点 / 10点満点
- プレイ時間:95時間 ( やりこみながらクリア )
- 30時間くらいは舞台編成・技構成の検討時間
- 10時間くらいは会話イベントの回収時間 ( トロフィーとは無関係 )
- 本編トロフィー:100%トロコン ( プラチナ:1 / ゴールド:2 / シルバー:10 / ブロンズ:38 )
ユニコーンオーバーロードの基本情報 & あらすじ
プラットフォーム | PS5 / PS4 / Xbox Series X/S / Switch |
発売日 | 2024/3/8 ( 世界同時発売 ) |
開発元 | ヴァニラウェア |
パブリッシャー | アトラス |
ジャンル | シミュレーションRPG |
ディレクター | 野間崇史氏 ( ヴァニラウェア ) |
プロデューサー | 山本晃康氏 ( アトラス ) |
販売本数 | 50万本以上 |
Metascore | 86 |
仲間と出会いながら巨悪に挑む、超王道の冒険譚をヴァニラウェアならではの高精細なグラフィックとキャラクター、自由度の高いフィールド探索と新機軸のシミュレーションバトルで描いたファンタジーシミュレーションRPG。
1990年代の名作シミュレーションRPGが持つ重厚な雰囲気や戦術性を継承しながら、独自のバトルシステムや、オンライン対戦など現行機ならではの要素を盛り込み、懐かしくも新しい唯一無二のゲーム体験としてお届けします。
公式HPより
どんなゲーム? なんで買おうと思った?
ユニコーンオーバーロードは、ヴァニラウェアという会社の新作です。ヴァニラウェアはオーディンスフィア、朧村正、ドラゴンズクラウン、十三機兵防衛圏といった作品を生み出してきた、コアゲーマーに人気のスタジオです。
どの作品も「美麗なアートワーク」と「作りこまれた世界観」が魅力的で、元々は2DアクションRPGが得意だったのですが、十三機兵防衛圏では「アドベンチャー」×「タワーディフェンス要素のあるシミュレーション」に挑戦。
私は十三機兵防衛圏で初めてヴァニラウェア作品に触れたのですが、壮大な物語を緻密に練り上げた神SFシナリオに魅了されて一気にファンになってしまいました。
そのヴァニラウェアの新作が5年ぶりに出るということで注目していたのが本作でした。
ジャンルはシミュレーションRPGということで、前作とはプレイフィールの異なるシミュレーションゲームになるとのこと。有名どころで言うとファイアーエムブレムのシステムが近いです。
体験版が面白かったので買う決心がつきました。ゲームスタートからプレイ時間が5時間になるまで自由に遊べる ( ただし区切りのメインクエストをクリアすると強制終了になるので注意 ) 体験版が面白かったです。
是非体験版をオススメします。セーブデータはそのまま引き継げるので、面白かったらそのまま買うと良いです。体験版のみで満足したなら、無理に買う必要はありません。よほど作品に自信がないと出せない形態の体験版でした。
ユニコーンオーバーロードのレビュー
バトル面
スタジオの前作である十三機兵防衛圏はストーリー推しの作品でしたが、ユニコーンオーバーロードは打って変わってバトル推しの作品となりました。
アクション一切無しの戦闘システム。部隊編成と技構成 ( とその時々の乱数 ) によって勝負が決まります。プレイヤーが介入できるのは事前の部隊編成と技構成、そして敵にどの味方部隊を当てるかというリアルタイムの戦略のみ。
馬に乗った騎兵は歩兵に強く、グリフォンに乗った飛行兵は騎兵に強く、弓を持った歩兵は飛行兵に強いというジャンケンの関係。歩兵を蹂躙する騎兵特化部隊を作るも、バランス良く兵種を揃えた部隊を作るも、自由自在です。
部隊編成以上に奥深いのが技構成。FFXIIのガンビットのようなシステムが取り入れられていて、敵部隊に〇〇がいたらAで攻撃を仕掛けるが、いなかったらBを放つ、といったプログラミングみたいな技の組み方をします。
今後相対する敵部隊を想定して、部隊編成と技構成を考え抜いて、実戦でテストして、上手くいかなかったら改善して、それを繰り返して「ぼくの考えた最強部隊」の活躍を見守る。このループを面白いと思えるかどうかに尽きます。
私はこのループにハマってしまって、部隊編成・技構成の検討におそらく30時間くらいは費やしたと思います。ストーリーを進めている時間よりも、むしろこの時間の方が面白かった…かもしれません。
先ほど述べた体験版ですが、この部隊編成・技構成の時間は「5時間」の制限時間に含まれません。体験版の間に、自分がハマる側の人間かどうかを見極めるのが良いかと思います。
物語が進んで仲間が増えるほど、この作戦検討時間は伸びていくことになります。体験版の5時間のうちは、少し部隊や技をいじってみて、何となく面白いと感じられるかどうかで判断するのが良いと思います。
バトル以外の面 ( ストーリー・キャラ・探索・UI周りなど )
ユニコーンオーバーロードのストーリーは正直薄味です。王道過ぎて、裏をかく展開が無いというか…。バトルという作品魅力を邪魔しないストーリーに終始している印象があります。
キャラクターは魅力的です。好きな人にとっては刺さりまくるキャラデザイン。60キャラ以上を味方にすることができるのですが、どのキャラも立っていて、主人公との関係・キャラ同士の関係がしっかり描かれます。
ただし、普通に遊び方ではキャラ魅力に全て触れられないのが残念でした。キャラ同士の親密度に応じて発生する会話イベントにかなり力が入っているのに、普通のゲームプレイではこの会話イベントを拾いきれないのです。
親密度は基本的に部隊編成に依存するのですが、自分の中でこうと決めた部隊はしばらく固定されるので、会話イベントが広がらず。もったいない設計になってしまっています。
私はこのゲームの隅々まで遊び尽くしたかったので、食事という親密度バフイベントを機械的に繰り返して全イベント回収しました。どの会話も作り込まれていた分、もう少し自然に回収できるともっと良かったのに…と思いました。
探索は楽しかったです。見下ろし型のビューで、大きく5つに分かれたフィールドが存在するのですが、そのフィールドに散在した報酬・コンテンツはいずれも楽しいものでした。
5フィールドで出てくる部族が異なり、エルフの国、獣人の国、天使の国といずれもワクワクするものでした。各地のヒロインも魅力的。ただし後半のフィールドでは繰り返し感が出てきてしまい、若干ダレてしまったのが残念でした。
最後にUI周りですが、これは手放しで素晴らしかったです。体験版を少し触るだけでUI周りの良さは実感できると思うので、まずは一度体験版を触ってみるのをオススメします。
トロフィー感想
ストーリー進行中に進められるサブクエストは全て回収、味方にできるキャラも全て回収しながらプレイしていって、ラスボスのメインクエストは一番最後にクリアしました。
本編クリア後は、やり込みコンテンツとして最難関の超長尺クエストが出てきますので、それをクリアしてトロコンだったかと思います。
本編クリア時点ではレベル50達成のトロフィーが取得できていませんでしたが、やり込みクエストの挑戦中に自然にレベル50になったので、無理なレベリングは不要でした。
用意されたコンテンツをやり込めば自然とトロコンできるトロフィー設計になっていたかと思います。
作業感を強く感じたのは、「会話イベントの全回収」です。ただしこれはトロフィー設定されておらず、私個人のこだわりでやったことです。おそらく10時間以上はかかったと思います。
まとめ
改めて結論を載せておきます。
- 採点:8点 / 10点満点
- プレイ時間:95時間 ( やりこみながらクリア )
- 30時間くらいは舞台編成・技構成の検討時間
- 10時間くらいは会話イベントの回収時間 ( トロフィーとは無関係 )
- 本編トロフィー:100%トロコン ( プラチナ:1 / ゴールド:2 / シルバー:10 / ブロンズ:38 )
薄味に感じたストーリーがもっと良ければ、さらにとんでもない作品になったと思います。アドベンチャーパートが神がかり的だった十三機兵防衛圏と比べるとプレイフィールは全く異なるので、その点は注意かと思います。
しかし、キャラ魅力・美麗なアートワーク・異常と思えるほどのアーカイブの作り込みなど、やはり十三機兵防衛圏との共通点も多く、やはり同じ会社のゲームなんだなぁ、とも思わされました。
この会社は続編を作らず、ひたすらに新規IPに挑戦し続ける会社です。十三機兵防衛圏も、ユニコーンオーバーロードも面白かったですが、また次の新規IP新作にも期待したいと思います。
なお、シミュレーションゲームはPCの方がプレイしやすいという方も多いかと思いますが、ヴァニラウェアはPC版をリリースしないことで有名です。
PC待ちをしてしまうと待ちぼうけになる可能性が高いので、思い切ってSwitchなどで体験版をダウンロードするのがオススメかと思います。寝転がってやるのが楽しいです。私はPlayStation Portalでプレイしました。
以上です!
参考:初報~発売までのトレーラーまとめ
興味ある方は折りたたみを展開ください。
ニンテンドーダイレクトで突如として発表されました。アートワークがそれっぽかったので実況がザワザワとしていましたが、ヴァニラ飯が画面に映った瞬間にヴァニラ新作と確信した方が多かったようです。
十三機兵防衛圏から期間も空いていたのでそろそろかと思われていましたが、ニンテンドーダイレクトでの発表は予想外でした。十三機兵防衛圏はSwitch後発、リリース時はPlayStation主導での宣伝でしたので。
発売半月前のニンテンドーダイレクトにて体験版配信開始がアナウンスされました。
PlayStation版の体験版は確か1日くらい配信が遅れて、体験版はSwitchのみか!?と一瞬ウワサになりました。公式HPの対応ハードもSwitchが先頭ですし、任天堂の出資が一部入ったタイトルなのだと思われます。
この他に、音楽やゲームシステムの紹介動画などもアトラス公式より上がりましたが、発売前のトレーラーとしてはこの2本のみでした。
発売時にローンチトレーラー、50万本突破時にアコレードトレーラーも別途上がっています。